みなさんは「内臓温度」という言葉を聞いたことがありますか?
私たちが体温を計る場合、たいていは腋の下で計りますよね?
これを「体表面温度」と言います。
それに対して、からだ内部の温度を「深部体温」と言いますが、
これが「内臓温度」のことです。
「内臓温度」を正確に知るためにはお尻に体温計を入れ、
直腸の温度を計らなければならないので、入院経験のある人ぐらいしか、
計ったことがないのではないでしょうか。
ある頃から「私、低体温なんです」と訴える女性が増えてきました。
どれぐらい低いのか疑問に思い、そのような女性百人の「体表面温度」を同じ時間帯、
同じ条件で検温してみたところ、その平均は36.5℃でした。
驚いたことに一般の人の平均値とまったく一緒だったのです!
しかし、彼女たちは朝自宅で体温を計ると確実に低いと言うのです。
それは一体どういうことなのでしょうか。
実は、腋の下の温度は一日のうちでかなり変動するものなのです。
朝、温度が低くても、日中には上がってしまうのが腋の下の「体表面温度」なのです。
そこで、より信頼性のあるデータを取るために、
一日のうちで変動がない場所はないものかと検証した結果、
「内臓温度」ならばそれほど変化がないと分かったのです。
そこで「深部温度計」という、お腹の表面から皮下約8cmの温度を計測できる装置を使い、
改めて彼女たちの「内臓温度」を同一時間帯、同一条件で計測したところ、
ほとんどの人が平均値を下回っていました。
人間の「内臓温度」の平均値は37.2~38℃が理想的と言われており、
医学的な実験などもこの基準値に基づいて行われています。
ところが、彼女たちは35℃台であることが多く、中には35℃台前半の人もいました。
これは「内臓温度」が非常に低く、生命を維持していく上でもかなり危険な状態と言えます。
たとえば雪山で遭難した人が生命の危険にさらされたときの「内臓温度」は35℃台前半ぐらいだということを考えると、いかに恐ろしいことであるか分かってもらえると思います。
「内臓温度の低下」、というと難しく聞こえるかもしれませんが、
これこそが「冷え」の状態なのです。
「冷えってあの冷え症の?私は手足もあたたかいし、寒さに強いから違うわ」
という人もいるでしょう。
でも手足が冷えていなくても内臓が冷えていることは決して珍しいことではありません。
また、本人が自覚していなくても冷えていることもよくあります。
よほどの腹痛でもないかぎり、お腹の温度を感じながら生活なんてしないと思います。
こういった自覚のない人たちを「かくれ冷え」と呼んでいます。
くすみ、むくみ、セルライトなどはすべてお腹の冷えによって起きています。
最近では男女を問わず、実に60%もの人が「かくれ冷え」を持っているといわれています。
「内臓温度」が低下するとまず血流が悪くなります。
すると下腹部に「うっ血」が起こり、胃腸、肝臓、腎臓など各器官の働きが低下します。
それによって「免疫力」や「代謝」が悪くなり、
お肌がくすんだり手足がむくんだりという不快な症状が起こってきます。
セルライトも水分代謝が悪くなることでできるものなのです。
ダイエットとリバウンドを繰り返し、なかなか痩せにくいというのも代謝が落ちているからなのです。
さらに「内臓温度の低下」は自律神経の乱れを起こしてしまい、
自分の感情をコントロールできなくなります。
イライラしたり、うつ状態になって沈んでしまったりする人も、
内臓温度の低下が原因である可能性があることも分かってきました。
先に出てきた「低体温症」の女性たちも「内臓温度」が低下していました。
そのため、朝は体温が低く、昼間になると上昇するという、
言ってみれば「変温動物」のようになってしまっていたのです。
人間は本来「恒温動物」であるはずなのに、「自律神経」が乱れてしまっているので、
このような症状が起きているのです。